10月の献立『秋麗の膳』

更新日時:2016年10月01日

 今年は台風が多く稲作農家さんも収穫のタイミングや泥んだ田んぼに苦労されているそうです。今月1日より新米をご提供出来るのも、そんな苦労をされている稲作農家さんのお陰でございます。
 庭の椎の木からは、コツンコツンとドングリの縦断爆撃が始まり、日に日に秋の装いとなって参りました。
 10月献立『秋麗の膳』は、「秋の味覚をタップリ」と味わっていただけます様、地域食材を意識しながら仕上げた献立となりましたので、是非、ご堪能いただけますと幸いです。
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それでは今月の先付からご案内申し上げます。

【先付】
  秋茄子の胡麻寄せ
   あしたか牛時雨煮
    北山農園 金美姫人参
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 先月の献立は「伊豆鹿ロース」でしたが、今月は「あしたか牛時雨煮」と、豆乳を使った胡麻豆腐と秋茄子を二層に。
更に北山農園さんの希少な金美姫人参を磨いて付け合わせに致しました。
 試食会では、「秋の揚げ吹き寄せ」でしたが、やはりスタートは揚げ物でな無く、優しいホッと一息できる様なイメージで「秋茄子の胡麻寄せ」にしてみました。

【前菜】
  柿膾 小芋秋山焼 南京公孫樹
  でんでん風干し 落鮎有馬煮
   菊花蕪 茶松葉 銀杏 むかご
    黄金いくら醤油漬け花柚子釜
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 9月に解禁となり駿河湾の底引き網漁で揚がった「でんでん」を3枚に下ろして半日風干しした「でんでん風干し」、醤油漬けにしたアマゴの黄金イクラを柚子を刳り抜いて器にした「花柚子釜」、3時間水と酒で骨まで柔らかくなるまで煮込んだ「落鮎有馬煮」、秋の山の色を白味噌田楽とパプリカパウダーで色付けした「小芋秋山焼」、乾燥させた茶そばを海苔で巻いて「松葉」とし先に銀杏・むかごを刺す、南京とタピオカスターチを混ぜてスイーツの如くフワフワな食感の「南京公孫樹」等々、何一つ出来合いモノが無い、一品一品下処理から仕上げ飾りまで小澤料理長以下調理場スタッフの秋の渾身作品です。
 是非、召し上がる前にじっくり観察して頂きたい前菜でございます。


【御椀】
  山の土瓶蒸し
   天城軍鶏 銀杏
    増島農園と長谷川農園茸
     ミツ葉
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 試食会では付け添えにあった酢橘は、天城軍鶏と昆布・鰹の絶妙なお出汁のバランスを壊さない為にあえて取り払いました。
 山葵の茎や葉、おからを食餌にした「天城軍鶏」、増島農園さんの菌床栽培の「たもぎ茸」「やなぎ茸」、長谷川農園さんの「ヒラタケ」が、松茸の土瓶蒸しを凌ぐ程の味わいを醸し出してくれました。


【割鮮】
  南瓜の器に
   近海の白身魚を
    天城紅姫あまご
     松前造り 天城本山葵
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 毎日、沼津魚市場から水揚げされる近海の白身魚を使っているので、9月解禁となった駿河湾の底引き網漁(トロール)で獲れる深海魚が出てくる事も!
 天城の清流に育つ「紅姫あまご」は、サーモン的刺身の甘みを強調して感じて貰えたらと考え、敢えて、新米・梅・茗荷・大葉を使った「梅ダレ」をつけてみました。


【煮物】
  静岡産
   海老芋饅頭
    伊豆鹿鋳込み椎茸含ませ
     旨出汁餡
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 京都を中心に栽培され『京芋』とも呼ばれている『海老芋』が、実は県内(磐田)で古く(昭和一桁時代)から生産されているって知ってましたか?
 海老芋饅頭の揚げ方を柔らかく仕上げましたので、お箸で割って饅頭の海老芋と旨出汁餡を絡め、山葵と共にお召し上がり下さい。


【凌ぎ】
  修善寺黒米饂飩
   つる菜卸し 柚子胡椒
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 毎度定番の修善寺黒米饂飩、何時もより出汁を抑えた代わりに柚子胡椒でお召し上がり頂きます。

【酢物】
  長芋叩き寄せ
   春菊 深海海老
    土佐酢掛け
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【焼肴】
  杉板焼き
   かます味噌幽庵焼
    中伊豆原木椎茸 酢橘
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 お酒と醤油、味醂、柑橘系果汁で作った幽庵地に三枚に下ろした、駿河湾のかますを漬け込んだ後に火を通します。杉板を焼いた香ばしいかほりと共に味わい下さい。

【食事】
  浅田ファームより
   天日干し無農薬新米
    土鍋炊き御飯
     お好みで山葵とご一緒に
  香の物
  味噌汁
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 日本の棚田百選にも選ばれている、天城湯ヶ島 長野地区 荒原の棚田で、自然農法に拘って農作物を生産している「浅田ファーム」。泥濘の田んぼに悪戦苦闘しながら稲刈りをし、水分量が15%前後になるまで天日干し乾燥させててから、漸く脱穀する手間暇を惜しまないお米は、同級生のひいき目無しに、旨い米に仕上がっており、一口目でその凄さを感じて頂けます。本場のお米にも負けない地元の拘り米を新米でお召し上がり下さい。

【水菓子】
  三日月羊羹
     と
  季節のフルーツ
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 甘味は、砂糖は一切使わずうなぎ芋(薩摩芋)と水だけで作った、甘さ控えめの「うなぎ芋羊羹」
 季節のフルーツは、ぶどう、柿、リンゴのコンポート、メロン嫌いの人もこれだけは食べられる驚異の甘さ「幻のメロン 天使音」等々

注記)
上記は、料理長おすすめ会席コース標準献立です。
ご宿泊料金並びに、仕入の都合により予告なく献立が変わる場合がございます。

10月の献立(試食会)

更新日時:2016年09月27日

本日は、10月献立の試食会日。
私と女将の他に外部有識者4名をお招きして開催。
12時30分頃から始まって、終了が15時。
真面目に2時間半、1品づつ試食しては、参加の皆様に意見を尋ねていく方式です。

皆様がどの様に想像しているのか判りませんが、和気藹々とはほど遠く、意見を伺う時に会話があるのみ。
試食中は黙々と、ひと箸食べてはメモを録る作業?が続きます。

いつも通り、今月のテーマや拘りを料理長から伺って、味や季節感は勿論、使っている器と盛り付けている料理のバランス、地元食材を使った「ここでしか食べられない」感、コース全体を通しての味の強弱的流れ感等々、参加者の皆様からコメントをいただきます。

今月の試食会献立
【先付け】秋の揚げ吹き寄せ
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この吹き寄せ、昨年も【先付け】で出たパターンをアレンジした献立でした。
が・・・、昨年同様では満足出来ない自分(社長)がそこに居ました。
結果、秋の揚げ吹き寄せは、お蔵入り決定。
本献立【先付け】は、更にクオリティの高いモノでスタートします。
お楽しみに!!

その他、【前菜】の中身も写真からは入替多数予定。
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でも、先月同様【吸い物】は、一発合格でした。敢えて土瓶蒸しに松茸は使用せず、地域の食材で味を取る小澤料理長の姿勢に脱帽でした。
天城軍鶏と増島農園のやなぎ茸・たもぎ茸が醸し出す、絶妙な出汁の風味は酢橘などを使ってしまうと一瞬で消し飛んでしまう為、付け添えから削除決定。
絶妙な出汁の風味と菌床栽培の秋茸の風味を存分に味わえる逸品となりました。

【割鮮】アッと驚く瓢箪南瓜を器に!
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9月から解禁となった駿河湾の底引き網漁(トロール)。
深海魚の白身も出てくるかもしれません。

【煮物】オール静岡県内産食材。
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皆さん、京都を中心に栽培され『京芋』とも呼ばれている『海老芋』が、実は県内(磐田)で古く(昭和一桁時代)から生産されているって知ってましたか?
試食品は、海老芋饅頭の揚げ方が堅めでしたので、揚げ方を変更して柔らかく仕上げることに致しました。

【凌ぎ】定番の修善寺黒米饂飩。出汁に柚子胡椒を加え、新たな味わいへ。
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因みに量が多すぎななので、器を変えて正献立へ。

【酢の物】これもほぼ一発合格。長芋の叩き寄せ 土佐酢掛け。器を変えて採用予定。
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【焼肴】杉板焼き 脂がのった魳の半身を贅沢に使った、かます味噌幽庵焼 中伊豆原木椎茸 
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【食事】浅田ファームのコシヒカリ 新米入荷しました。
 落合楼から車で5分、地元天城湯ヶ島 長野地区にて、無農薬&天日干しのコシヒカリを玄米のまま1年分仕入、専用倉庫に冷蔵保管。精米する時は1日前に倉庫から出して常温に戻し精米する事で、お米の割れを減らしながら精米しますので、長くても精米から1〜2日程度で皆様の口元へお届けしています。

【水菓子】三日月羊羹と季節のフルーツ。羊羹の素は「うなぎ芋」サツマイモをウナギの骨や頭で作った肥料で栽培したことから付いた名前。
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甘さ控えめの羊羹とリンゴのコンポート、メロン嫌いの人でもこれだけは食べられる驚異の甘さ「幻のメロン 天使音」も提供。
羊羹がボリュームありすぎの為、ワンポーションカット。
生クリームは??だったので正献立からはカットでした。

喧々諤々、試食後修正案確定し再試食は、明後日。正献立アップはギリギリ前日の予定です。

9月の献立『爽節の膳』

更新日時:2016年08月31日

 暑さも一段落、なんとなく秋に近づいてきている予感が感じられるころとなりました。
 9月献立『爽節の膳』は、「もう、秋だねっ」とひと言洩れ聞こえる様、清々しい秋の訪れを意識しながら出汁も食材も強調した献立に仕上げ、皆様をお待ち申しております。
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それでは今月の先付からご案内申し上げます。

【先付】
  流し胡桃と伊豆鹿ロースト
   博多盛
    青葱 銀餡
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 濃厚な胡桃豆腐と低温調理した伊豆鹿を出汁の効いた銀餡でお召し上がりいただきます。
 試食会時からは銀餡の濃さを調節(濃く)致しました。

【初秋盛り合わせ】
  青いが栗 伊豆茸菊浸し
   蓮根煎餅 小芋絹担ぎ
    海老兎寿司 猪茜煮 芒葱
     紫芋あけび
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 秋の始まりを表現した初秋の盛り合わせです。
 茶素麺を栗に纏わせイガグリに見立てたり、ドラゴンフルーツと紫芋でアケビを作ってみたり、うさぎがいたり、葱でススキを表現したりと、様々な技法で初秋感を醸し出しております。

【御椀】
  新銀杏豆腐
   重陽
    新銀杏豆腐
     針牛蒡 葉人参含ませ
      黄菊散らし 柚子
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 一見すると普通の椀ネタですが、箸を入れると2層になっているのに気がつきます。食感の微妙な違いと銀杏の味をお楽しみ頂けます。
 試食会で唯一全会一致で修正変更不要であった献立です。私自身、小澤料理長の出汁が大好きです。
 先日ご宿泊のお客様より、『レッドミシュランお勧め京都料亭より美味しかった!』とのお言葉をいただきました。嬉しい限りです。

【割鮮】
  沼津港より
   旬の白身魚
    妻一式 天城本山葵
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【煮物】
  秋茄子揚浸し 焼き目大根
   針人参 伊豆原木椎茸 隠元
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 丸い大きな芋のような姿は、中伊豆 山口さんの収穫までに約2年を要す伊豆原木椎茸。菌床椎茸と比較にならない程の「香り」と「歯ごたえ」と「味」の凄さをご堪能頂けます。
 伊豆原木椎茸の下に隠れているのが、箱根西麓野菜 杉正農園さんのごちそう茄子。出汁を含ませる事で、素材の柔らかさと旨味を引き立てます。
 試食会では、あしたか牛を炊いて臭みが残っていた為、煮物はオール野菜となり、山口さんの伊豆原木椎茸に変わりました。あしたか牛以上に「香り・歯ごたえ・味わい」をお楽しみいただけます。

【強肴】
  天城軍鶏にて
    一、軍鶏スープ蒸
         銀杏 三つ葉
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 軍鶏肉の旨味が更に強調される様に、軍鶏出汁スープを茶碗蒸しの如く仕上げています。
 試食会時に比べ、具材の軍鶏肉の旨味を引き立たせる様に軍鶏出汁スープの濃さを調整しました。噛めば噛むほどに口内に広がる旨味を体験して下さい。間違いなく軍鶏肉の虜になるはずです。

    一、軍鶏叩きサラダ
         山葵ドレッシング
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 天城でしか食べられないモノのひとつ『天城軍鶏肉の叩き』、新鮮だからこそ提供できる調理法です。
天城軍鶏は餌に山葵の茎を与えているので、バルサミコ酢と天城本山葵の料理長オリジナルソースを絡めてお召し上がりいただきます。
 更に、叩きの柔らかい歯ごたえと対照的に、生食で南瓜をあしらいました。
 間違いなく叩きをオススメしますが、生食に思える調理法なので叩きが苦手な方は事前にご要望を承れましたら炭焼きにする事も可能です。
試食会からはオリジナルソースを改良しバルサミコ酢と本山葵のバランスを整えました。

【焼肴】
  炭焼
   天城紅姫あまご味噌漬け
    あしたか牛
     長芋炙り
      山葵卸し 酢橘
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 本来の天女魚(あまご)は体長20cm程度ですが、紅姫あまごは3年以上掛けて30cm以上に特に大型化する品種です。サツキマスの淡水版なのでサケ科に属する魚、身の色は正にサーモン色、味は淡泊な為西京漬け風に味噌に漬け込み味を含ませ焼き上げました。
 あしたか牛は、富士山麓の愛鷹山麓裾野に広がる広大な緑地で、厳選された飼料によって丹精込めて育された牛の中でも特に風味豊で、柔らかい肉質を有する厳選された牛肉です。もちろん、炭火焼きです。
 卸しに山葵を練った山葵卸しと酢橘を掛けてお召し上がりいただきます。
 試食会から一番変化のあった献立です。やはり「あしたか牛」は炊くより炭火ですね。

【食事】
  土鍋にて
   栗御飯 又は、白米山葵御飯
    香の物 味噌汁
 新潟南魚沼 五郎丸 田村さんのコシヒカリが土鍋で炊きあげた事で、美味しいお米に更に磨きがかかり、お焦げもお楽しみ頂けます。

【水菓子】
  梨ゼリー
   素焚糖蜜掛け
    紅藤 あまねメロン
     柿 ミント
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注記)
上記は、料理長おすすめ会席コース標準献立です。
ご宿泊料金並びに、仕入の都合により予告なく献立が変わる場合がございます。